視野の広さ

多くのスキーヤーが視野を広く持って滑るようにアドバイスを受けた経験があるとは思いますがどれぐらい広い視野を持って滑ればいいんでしょうか?レースをやっていた頃は2旗門先を見ろとか教えられていましたが、バックカントリーでの滑走を想定するとそれでもまだまだ視野狭すぎます。

普段ガイディングしていて多くのゲストの方の滑りを見させていただいていますが、視野の広さは人それぞれです。僕の経験からいくと視野は広ければ広いほど良いです。視野やが広い滑り手はラインの組み立てがうまく、斜面を上手に使えます。わかりやすい例えとしてはノートラックの面を見つけられるとか、楽しそうなアイテムや地形をヒットしやすくなったりとか。視野が狭いと、目の前に現れる地形や雪に対応するのに精一杯で、すぐ横やすぐ先にある面白そうな斜面に気づかなかったりしてしまいます。これは快楽的なことだけでなくもちろん安全面でも、とても重要になります。周りが見えている人と、目の前しか見ていないのとでは、滑り方と斜面の使い方が全く違うのです。

じゃあどれぐらいの視野の広さが必要かというと、山では極端な話、後ろも気にしながら滑ります。アラスカなどの急斜面ビックフェイスを滑走しているGo pro映像などを見ていると、後ろから追いかけてくるスラフ(急斜面のいい雪を滑ると足元から発生する点発生乾雪雪崩)をチェックしながら滑っていたりします。一般的なバックカントリーのパウダーランだと少し大げさかもしれませんが、それでもかなり広い範囲をチェックしながら滑ります。尾根の上を滑りながら左右の谷間をチェックしたり、沢地形を滑っていてその沢が支流と合流する場所では支流の上流部を振り返るようにチェックしながら滑ったりします。バックカントリーの複雑な地形ではハイク中や休憩場所からは見えなくて、滑走ラインに入って初めてチェックできるスペースも多いためです。滑りながら隣のラインはノートラックだとか、あの沢はここでこんな風に合流してるんだとか、次に来たときはあそこ滑ってみようとか。雪崩れてないかな?とか。滑りながら、顔の向きはそのままで目線だけキョロキョロするのでは範囲が限られているので、首も振りながらキョロキョロします。もちろん目の前も見ているし、雪質がめまぐるしく変わるようなコンデションや目の前のテクニカルな地形の対応に夢中になっているとき程視野は狭くなります。滑走スピードが上がれば上がるほど視野が狭くなります。でも余裕のあるときはなるべく視野を広くできるといい滑りに繋がると思うし、それぐらい余裕を持って滑れるかが安全面も含め、バックカントリーでは必要になってきます。

これはゲレンデを滑っているときも同じで、コースの中で左右に滑走ラインを変えるときは当然後ろも見るし、二つのコースが合流する場所では合流するコースの上部を確認します。フェイキー(後ろ向き滑り)しながらリフトの上から友達が自分の滑りを見てくれているかどうかも確認しながら滑ってます。このときも目線だけでなく首も振りながら見ているんだぞアピールをするように滑っていると、自然と視野も広くなっていくと思います。僕が行うゲレンデレッスンでも、この視野の広げ方については毎回必ず触れる項目です。『後ろ振り返りながら滑りましょう』とか『リフトに誰が乗っているか気にしながら滑りましょう』とはどこのスキースクールでも言われないと思うので、バックカントリーでの滑走技術にフォーカスしたレッスンですね。視野の広さにフォーカスした練習方法なども紹介しています。シーズン初めはレッスン中心にやると思うので楽しみにしていて下さい。

ps現在今期のレッスン募集中です。