伝説的名機 MANTRA

今回はフォルクルスキーのラインナップの中でも一番のロングセラーであるマントラについて書こうと思います。おそらく2005年ぐらいからラインナップされていたので、かなりのロングセラーになります。カナダやアメリカなどの北米では、ものすごく売れてて、過去にメディアが行う、ベストスキーアワード的な賞を何度も受賞しています。地球上でマントラが最高のスキーだと言う人も多く、フォルクルが誇る伝説的な名機です。モデル名MANTRAとしてリリースするモデルはメーカーとしても相当な自信がある出来栄えだと予想していましたが、やはり素晴らしいスキーが出来上がりました。僕もそれなりに長いことスキーしてきて、板に対するこだわりや、新しい提案やアイデアなどもまあ、それなりにあるのですが、毎回フォルクルが作る新しいスキーを履くたびにスキーメーカーとしてのデータ量やノウハウ、そして圧倒的な技術力を見せつけられます。また今回も完全にそれを思い知らされました。

2018/19ではこのマントラが2機種リリースされます。全くタイプの違う2機種なので、ここで詳しく説明したいと思います。最初にご紹介するのは大きなモデルチェンジをし、かなり進化した第5世代のマントラ。

M5 MANTRA  (エムファイブ マントラ)

SIDECUT 134-96-117

LENGTH(RADIUS)  170(17.9)  177(19.8)  184(21.2)

キャンバーデザインに変更になり、トップとテールにわずかに浅いロッカーがありますが、これは浮力をアップさせる為だけで無く、ターンの始動だったり操作性、扱いやすさを向上させる役割の方が大きいのかもしれません。フォルクルはこの考え方にかなりのこだわりと自身を持っていて、特にチップロッカー(トップのロッカー)に関してはレーシングモデルも含め、ほとんどのモデルに採用されています。

M5 MANTRAの一番のトピックは、今までスキー全体の面積でトップシートに配置していたチタン製のプレートを三分割にして、更にトップとテールはスキーの面積に対してU字型、センター部分にはスキーの幅と同じ面積のチタン製プレートを配置しました。三分割したそれぞれのチタンプレートの厚みを変えて、スキーの適所が適度にフレックスする様に設計されています。

毎度のことながら構造を文章にしてもうまく伝えるのは難しいのですが、まあ簡単に言うと高速域での板の安定感と粘りを出すのにはメタル系の素材の使用は不可欠で、でもそれだと板も重くなっちゃうのでメタルの質量を減らしエッジへのパワー伝達に有効な端っこは残し、センター部分はビィンディング取り付けの際の強度も含めて面積を増やした。低速域での滑走や、体重が軽く脚力のない人だと適度なフレックスを出しにくいので、三分割してそれぞれのメタルを独立させることによりフレックスし易くしてメタルの難点を解決させた構造です。

先シーズンM5 MANTRA 184cmにMARKER DUKE PRO EPF 18のセットアップで主にゲレンデで使用しました。僕はカービング性能の高い板にDUKEなどツアー系のスタンドハイト(板からブーツまでの高さ)のあるビィンディングとの組み合わせが好きで、朝一の八方尾根スキー場の圧雪斜面でのカービングターンから得られる快楽は半端なく、やっぱりメタルスキーはいいなと再確認しました。斜面が荒れてきたり、春のシャバシャバなゲレンデでも安定感と走破製があります。普段、基礎スキーをしている人も春はこれぐらい幅がある板の方が良く走るのでオススメできるし、普段はゲレンデメインで滑ってて一本の板で雪が降った日には端っこのパウダーも楽しみたいなんて人には最適なモデルです。バックカントリーでの使用に関しては新雪深が少ない日や、森林限界以上のアルパイン地形、春のザラメコンデションなどでのマッチングがいいんじゃないでしょうか。マニアックな話になるけど、パウダーでも積雪が沈降していて、板が良く走る日には最高ですね。最近のギアのトレンドは完全に軽量化にフォーカスされていて市場のニーズも軽さ軽さですが、そんな今だからこそ、滑走性能を重視したセットアップで山に登ってハイパフォーマンスしているスキーヤーを見るとトレンドに左右されないスタイルとこだわりを持ったかっこいいスキーヤーだなと思います。

スキースタイル的なターゲットは今までのマントラに比べるとウエストも細くなり、キャンバーデザインを採用することにより、ややターン性能を重視する仕様になっているかなと感じます。

決して扱いが難しいスキーではないので、中級者以上が対象になるモデルですが、おそらくこのスキーのポテンシャルを発揮して気に入ってもらえるのは上級者だと思います。特に、しっかりとスキーを角付して加重し、フレックスさせながらカービングターンができるスキーヤーや、今まで基礎スキーやレーシングをやってたスキーヤーがセカンド機として所有するのに最適なモデルだと思います。

フリースキーヤーはあまりチューンナップしないで履き始める人も多いのですが、M5 MANTRAは初期チューンをしっかりとしてから履き始めた方が断然いいです。僕もフルロッカーのモデルはワックス掛けだけして結構そのまま履いたりもしていましたが、キャンバーのスキーはチューンナップでかなり扱いやすさが変わります。

なんだか手強そうだなと思う人には、もう一つオススメがあります。M5 MANTRAのフィーリングを女性スキーヤーにも共有してもらいたいと開発されたニューモデルの

SECRET (シークレット)

SIDECUT 130-92-113

LENGTH(RADIUS)   156(14.2)  163(16.0)   170(17.9)

です。メーカーも女性モデルと言い切っていますが、男性が履いても十分な仕上がりで、グラフィックもそこまで女性的な感じでもありませんよ。こっちもオススメです。

どちらのモデルもこれだけの最新技術が詰まっていても定価は税別¥88,000円。これからの早期予約では各販売店さんにもよりますが、更に1~2割引ぐらいでご予約できるんじゃないでしようか。自社工場で生産されるから実現できる価格で、とてもお買い得なスキーだと思います。

M5 MANTRAいかがでしょうか?僕はかなり気に入っていて、今後もこの板はかなり長いシーズン大切に使うことになると思います。普段太いスキーばかり履いている人はターン性能が高いこんなモデルも所有していると重宝しますよ。太いスキーで柔らかい雪ばかり滑っているとスキー技術が結構それ用に偏ってくるので、基本的なスキー技術もキープする為に最適なモデルです。

マントラは先日発売されたBRAVO SKI vol1でも大きく取り上げていただきました。フォトグラファー伊藤剛くんに撮ってもらった僕のゲレンデでのライディング写真やコメントなども掲載されていますので、こちらも併せてチェックしてみてください。

これから始まる早期予約会などでは会場で実際に触ってみてください。

次回は、、、

バックカントリーや春のロングルートで大活躍のもう一つのマントラ、

MANTRA V.WERKSについて書きます。

お楽しみに。

マーカーダルベロフォルクルチームの中川ミキが解説しているこちらの動画もチェックしてみてください。

 

古瀬和哉